NC旋盤基礎知識

【保存版】旋盤加工の送り速度とは?意味・計算式・目安をやさしく解説!

送り速度とは 計算

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あきよし 名刺

この記事がおすすめな人

  • 送りや送り速度の違いがよくわからない初心者の方
  • 切削条件を設定するのが不安な方
  • 面粗さや加工不良に悩んでいる方
  • 材質ごとの送り速度目安を知りたい方
  • 切削速度と送り速度のバランスに迷っている方
イケクマ
イケくま

旋盤加工の「送り」について詳しく知りたいだと…?

相変わらず熱い野郎だぜ…。
いいだろう。
俺がハードボイルドに解説してやる…!

「送り速度って何?」
「送り量と何が違うの?」

そう感じたまま、なんとなく加工していませんか?

加工面の仕上がりも、工具の摩耗も、「送り」を理解しないままだと安定しません。

でも、もう大丈夫!

この記事では、送りと送り速度の違い・計算式・材質別の目安まで、初心者でもスッと理解できるよう丁寧に解説。

読み終わる頃には、自信を持って送りを設定できるようになります。

イケクマ
イケくま

送りを知るやつは、仕上がりも変えられる。
数値の意味を理解してこそ、真のオペレーターだぜ…!

旋盤加工における「送り」と「送り速度」とは

NC 基礎知識

まず大前提として、旋盤加工における「送り」と「送り速度」は似ているようで意味が異なります。

この違いを理解すれば、加工精度や工具寿命への理解も一気に深まるでしょう。

ポイントまとめ

  • 「送り」=1回転あたりの工具の移動距離(mm/rev)
  • 「送り速度」=1分間に進む距離(mm/min)
  • 回転数(rpm)と送り量で送り速度が決まる
  • 切削速度とは別の概念で、混同しやすい
  • 面粗さ・加工負荷・工具摩耗に大きく関わる

■ 「送り」とは何か?

旋盤加工でいう「送り」とは、工具がワークに対してどれだけ進むかを示す量

特に、主軸1回転あたりにどれだけ前進するか(mm/rev)で表されます。

たとえば送り量が0.2mm/revなら、ワークが1回転するごとに工具が0.2mm進むという意味になります。

これは面粗さに大きく影響する要素で、送りが大きいほど荒く、小さいほど滑らかな仕上がりに。

送りは、加工精度や見た目だけでなく、切粉形状や加工負荷にも関わってくるため、条件設定の重要な要素になります。

イケクマ
イケくま

送りを甘く見たら、仕上がりに泣くぜ。
一目でわかるのが“送りの質”ってもんだ…!

■ 「送り速度」とは何か?

「送り速度」は、送り量と回転数から求められる“1分間あたりの移動距離(mm/min)”のこと。

式で表すとこうなります ▼

送り速度(mm/min)=送り量(mm/rev)× 回転数(rpm)

たとえば送り量0.2mm/rev、回転数800rpmなら…

0.2 × 800 = 160mm/min

つまり、1分間に160mm前進する速度で切削しているということに。

この数値は、切削熱や工具摩耗、加工時間に関わるため、「送り量」よりも動的な影響を持つ要素です。

イケクマ
イケくま

速さの数字には“重み”がある。
送り速度を知らずに削るなんて、夜道をライトなしで走るようなもんだぜ…!

■ 切削速度との違いは?

切削速度(Vc)は、ワークの外周がどれだけ速く動くか(m/min)を示すもの。

送り速度(mm/min)とはまったく別の概念ですが、どちらも加工に大きく影響する重要なパラメータです。

送り速度は「前へ」、切削速度は「回転方向へ」。

動きの向きが違うだけで、両者はバランスを取るべき関係にあります

たとえば切削速度が速くて、送り速度が遅すぎると、刃先が擦れて発熱しやすくなります。

このバランスを取ることが、加工トラブルの予防に直結すると言えるでしょう。

イケクマ
イケくま

速度は一つじゃねぇ。
回す速さと進む速さ、どっちも見てこそ本物の段取りだ…!

ココ見て!

「送り」は回転1回あたりの工具の進み幅、「送り速度」は1分間の移動距離。この違いを正しく理解することで、仕上がり品質や工具の持ちに大きく差が出ます。切削速度とのバランスも意識しながら、最適な加工条件を選べる判断力を育てましょう。

送り速度の計算式と単位の考え方

NC 計算

送り速度を正確に把握するには、計算式と単位の違いをしっかり理解することが必要不可欠。

ここを押さえれば、現場での設定に迷いがなくなります。

計算式と単位のポイントまとめ

  • 基本式:送り速度(mm/min)=送り量(mm/rev)× 回転数(rpm)
  • 送り量は「1回転あたりの移動距離」
  • 送り速度は「1分間あたりの移動距離」
  • mm/revとmm/minを混同すると設定ミスの原因に
  • 単位変換を理解すれば安全で効率的な加工につながる

■ 送り速度の基本式と意味

旋盤加工での送り速度は、1分間にどれだけ前進するか(mm/min)を示す値です。

これを求める式は非常にシンプルで、以下の通り。

送り速度(mm/min)=送り量(mm/rev)× 回転数(rpm)

たとえば、

  • 送り量:0.15mm/rev
  • 回転数:600rpm

この場合、0.15 × 600 = 90mm/min

つまり、1分間に工具が90mm進むペースで加工が進行しているという意味になります。

この式を覚えておくと、条件変更時にも柔軟に対応でき、工具寿命や面粗さの調整がしやすくなります。

イケクマ
イケくま

たった一行の式が、現場の武器になる。
覚えりゃ迷わず、攻めの加工ができるんだ…!

■ 送り→送り速度、送り速度→送りへの換算方法

「送り量(mm/rev)」と「送り速度(mm/min)」は、単位が似ていても意味は全くの別物。

ここを混同すると、「想定の3倍の速さで加工していた」「送りが遅すぎてビビリが出た」といったトラブルに直結します。


具体例①:送り量→送り速度

例:送り量 0.2mm/rev、回転数 600rpm

0.2 × 600 = 120mm/min

→ 送り速度は 120mm/min になります。

これは「1分間で120mm進む」ペースの切削という意味。

具体例②:送り速度→送り量

例:送り速度 90mm/min、回転数 600rpm

90 ÷ 600 = 0.15mm/rev

→ この設定なら、1回転ごとに 0.15mm 進む送り量ということになります。


現場では、送り量だけを調整していて送り速度を見ていないケースが多いですが、特に高精度加工や仕上げ工程では、送り速度を基準に設定する方が安定しやすくなります。

イケクマ
イケくま

単位の違いに気づけるかどうか、それがプロの分かれ目だ。
数字に強くなれば、現場の見え方が変わるぜ…!

■ なぜこの式が大切なのか

送り速度を理解することは、単なる数字合わせではありません。

切削抵抗・熱発生・工具の摩耗量・面粗さのすべてに直結するからです。

たとえば送り速度が速すぎると、刃先にかかる負荷が大きくなり、欠けや早期摩耗の原因に。

逆に遅すぎると、刃が擦れるように当たり、熱を持ちやすくなったり、仕上げ面が荒れることも。

このように、計算式の意味を知ることは、「なぜこの条件にするのか」を理屈で説明できる力につながります。

イケクマ
イケくま

感覚じゃ、限界がある。
数字に理由を持たせりゃ、加工にブレはなくなるぜ…!

ココ見て!

送り速度は、送り量と回転数の掛け算で求められるシンプルな数値。単位の違いを正しく理解することで、安全性と加工品質の両立が可能になります。現場での条件出しに自信が持てるようになり、トラブル回避にも大きく貢献する重要な知識と言えるでしょう。

送り速度の設定目安【材質別・加工別一覧あり】

NC 実践

送り速度は、「どの材質をどう加工するか」で大きく変化。

ここでは、代表的な素材に対する目安と、荒加工・仕上げの違いを一目でわかるように整理します。

ポイント

  • 材質によって適正送り速度の範囲が異なる
  • 荒加工は速く、仕上げ加工は遅めが基本
  • 工具や機械剛性に合わせて調整が必要
  • 高すぎると荒れや摩耗、低すぎるとビビリや効率低下
  • 面粗さの目標によって送り量から調整するのも有効

■ 材質別・加工別の送り速度目安表(旋盤加工)

被削材荒加工の目安
(mm/min)
仕上げの目安
(mm/min)
一般構造用鋼(S45Cなど)  150~300    50~120  
炭素鋼(S50Cなど)120~25040~100
ステンレス鋼(SUS304)80~18030~80
アルミニウム(A5052など)200~40080~150
鋳鉄(FC/FCDなど)180~35060~130
銅(C1100など)150~30050~120
チタン合金(Ti-6Al-4Vなど)40~8010~30

※ 回転数や送り量と組み合わせて調整してください。
※ 工具材質や加工剛性によって数値は変わる場合があります。

■ 荒加工では送り速度をやや高めに

荒加工では、切削量を稼ぐのが目的。

そのため、送り速度はやや高めに設定して、加工効率を優先するのが基本になります。

ただし、工具摩耗の進行も速くなるため、工具材質や冷却条件による補正が必要。

送り速度を上げすぎると面粗さが荒くなりすぎるため、次工程を見据えた調整がポイントになります。

イケクマ
イケくま

スピードで攻めるときほど、冷静さが試される。
無茶と勝負は、紙一重だぜ…!

■ 仕上げ加工では送り速度を抑える

仕上げ加工は、面粗さや寸法精度を重視する工程。

そのため、送り速度はやや低めに設定し、滑らかに削るのが理想的な条件になります。

たとえば同じS45Cでも、仕上げ工程では送り速度を50〜100mm/min程度まで落とし、面粗さの狙いに合わせて送り量を微調整。

これにより、バリの発生やビビリのリスクも低減できます

イケクマ
イケくま

仕上げの命は“丁寧さ”にある。
急ぐな、確実に仕留めろ…!

■ 材質ごとの調整幅を理解する

たとえばステンレス(SUS304)は熱がこもりやすく、送り速度を高めに設定すると摩耗や焼き付きのリスクが増します。

逆にアルミは切削抵抗が小さく、高い送り速度でも比較的安定した加工が可能

材質特性を踏まえて送り速度を設定することで、加工トラブルの発生率を大きく減らすことができます。

イケクマ
イケくま

素材の癖を知らずに削るな。
性格も削り方も、材質次第だぜ…!

ココ見て!

送り速度の設定は、材質と加工目的のバランスを見て判断するのが基本。荒加工では効率重視、仕上げでは精度重視で調整することで、加工品質と工具寿命の両立が実現できます。素材に合った適正値を基準に、自分の加工環境に合わせて微調整していきましょう。

送り速度の違いが加工に与える影響とは

NC 徹底解説2

送り速度は「速ければ良い」「遅ければ丁寧」という単純な話ではありません。

送りを変えることで、加工面の状態から工具の持ちまで大きく変化します。

送り速度による主な影響まとめ

  • 送りが大きいほど面粗さは荒くなる傾向
  • 速すぎると工具摩耗・チッピングが増える
  • 遅すぎるとビビリ・熱ダレ・加工時間の増加
  • 最適な送り速度で加工すれば工具寿命が延びる
  • バランスの取れた設定が精度と効率を両立させるカギ

面粗さへの影響

送り速度が速いと、工具がワークを荒く削ることになります。

送りが大きくなるほど、切削面の“山と谷”の幅が広がり、仕上がりはザラつきがちに

一方、送り速度が遅ければ刃先が細かく当たり、面粗さは滑らかに整いやすくなります

ただし、極端に遅いと切削抵抗の増加や加工時間のロスにもつながるため、バランスが重要です。

イケクマ
イケくま

材質無視のスピード設定は、ただの暴走だ。
まずは基本に忠実に、だぜ…!

工具摩耗と寿命への影響

送り速度を速くしすぎると、刃先にかかる負荷と熱が急増します。

その結果、工具摩耗やチッピングが起こりやすくなり、刃持ちが一気に悪くなることも。

逆に、適正な速度で削れば、摩耗の進行を抑え、工具寿命を延ばすことが可能に。

工具コストや段取り工数にも直結する大事なポイントです。

イケクマ
イケくま

工具は使い捨てじゃねぇ。
長く持たせてこそ、一流の使い手だ…!

ビビリ・加工音・熱の発生

送り速度が遅すぎると、工具がワークに「こすれる」ような切削になり、加工音が不安定になったり、ビビリが発生することがあります。

また、刃先が十分に切り込めず、発熱による焼けや寸法不良の原因に。

これは特に薄肉ワークや硬質材で起こりやすく、送り量の設定に神経を使う場面です。

イケクマ
イケくま

おとなしく削ってると見せかけて、実は“削れてない”ってやつもいる。
見極めろ、本物の手応えを…!

加工時間と生産性

送り速度を上げれば、当然ながら加工時間は短くなります。

しかし、速度を追いすぎるとトラブルが増え、かえってロスが増える結果に…。

送り速度の設定は、「安全」「品質」「効率」のバランスを取る調整が鍵になります。

一見地味な数字の調整が、加工全体の流れを左右する重要な要素となるでしょう。

イケクマ
イケくま

速さにこだわるやつほど、ブレーキもうまく使う。
攻めどころと守りどころ、見極めろよ…!

ココ見て!

送り速度の調整は、加工面の美しさ、工具寿命、加工効率すべてに直結。「とりあえずこの数値」で済ませず、目的や材質に応じた最適化を意識することで、安定した高品質加工が実現します。送りは、加工の“性格”を決める要とも言えるでしょう。

まとめ:送り速度を理解すれば、加工の質と効率が一変する!

送り速度とは、送り量と回転数から導き出される“前進する速さ”のこと。

その意味を理解し、計算式と単位を正しく使えるようになることで、面粗さや工具寿命、加工効率を思い通りにコントロールできるようになります。

材質や加工目的に合わせた目安と調整ポイントを押さえれば、トラブルを減らし、安定した高精度加工が実現可能に。

現場で迷わず設定できる力を、今日から身につけていきましょう!

イケクマ
イケくま

数値を知るだけじゃ、足りねぇ。
意味を理解して、自在に扱ってこそプロってもんだぜ…!

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