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や…焼入れって何だ!?
熱処理のことが全然わかりません!
熱処理のことなら任せて!
「熱処理」という言葉を耳にしたことはあるものの、その具体的な内容や目的について詳しく説明できる方はそう多くはいません。
なぜなら「熱処理」と一言で言っても種類が何種類もあり、それぞれに特徴や用途が違うからです。
1回聞いただけじゃ全然覚えられません!
そんなあなたのために、この記事では熱処理の基礎知識を、初心者にも分かりやすく簡単に解説します。
さぁ、熱処理の世界の知識を深めましょう!
この記事をブックマークしておけば何時でも思い出せますよ!
熱処理とは?加熱と冷却による金属材料の性質変化技術
熱処理ってこんな技術!
熱処理…
聞くだけで汗が出そうな名前ですね!
熱処理とは加熱と冷却の巧みな調整によって、金属を硬くしたり柔らかくしたりする特殊加工技術です。
日本金属熱処理工業会では「赤めて冷ますこと」と記載。
これは、金属材料に加熱と冷却を加えて形を変えることなく性質を向上させる加工技術と説明されています。
こんなに性質を自在に操れるよ!
熱処理の歴史
熱処理の歴史はとても古く、古代にまでさかのぼります。
鉄や銅などの金属を使い始めた人々は、金属を加熱して冷却することで、より硬くしたり、加工しやすくしたりしていました。
この方法が、今日の熱処理の原型となっています。
そんな大昔から!?
中世において、鍛冶職人たちは、剣や鎧などの武具を製造するために、熱処理技術を洗練させました。
焼入れや焼きなましなどの基本的な技術がこの時代に確立されたとされています。
昔から日本刀作りなどで鍛冶職人が応用していたのもその一つです。
真っ赤に焼けた鉄をハンマーでガンガン叩くやつだね!
現代では、熱処理の技術はさらに進化。
炉のコンピュータ制御、新しい材料科学、環境への配慮など、今日の製造プロセスに不可欠な要素となっています。
このように熱処理の技術は、人類の歴史と共に発展し、今日の多岐にわたる産業への応用につながっています。
古代の簡単な方法から現代の高度な技術へと、進化を続ける熱処理の歴史は、私たちの生活と密接に結びついているのです。
では、熱処理がどんなメカニズムなのか見ていこう!
熱処理の基本メカニズム
一般的な鋼は約700℃まで加熱すると素材が赤づいて、結晶構造や性質の変化が始まります。
この性質の変化を「変態」と呼び、その変化が始まる温度を「変態温度」と呼びます。
へ… 変態の温度…
変態温度をオーバーすると、鋼は軟らかい"オーステナイト"と呼ばれる組織に変化。
その後に鋼が黒づく温度(約550℃)まで冷却すると、オーステナイトは硬い"マルテンサイト"という組織に変化します。
これで熱処理前より鋼が硬くなっているよ!
全体熱処理と表面熱処理
熱処理は大きく分けて「全体熱処理」と「表面熱処理」の2つに分けることができます。
全体熱処理
素材全体を変態させる熱処理で、大きく「一般熱処理」と「特殊熱処理」に分類されます。
表面熱処理
内部組織はそのまま、素材表面のみを変態させる熱加工で、「表面硬化熱処理」と「表面改質熱処理」に分類されます。
製品の求める性質によって使い分けが必要です!
熱処理における抑えておくべき4つの基本パターンと記号
焼入れ
鋼を変態点(組織の構造が変化するポイント)以上の温度まで上昇させ、一定時間置いた後、急激に冷却することを「焼入れ」と呼びます。
「焼入れ」は、鋼を硬くするために行われます。鋼に含まれる炭素量が多いほど、焼入れによる硬化は大きくなります。
JISの加工記号では「HQ」と記載。
焼もどし
焼入れによって鋼の組織はマルテンサイト化し、硬くなりますが、そのままでは脆く、割れなどが生じやすい状態です。
「焼もどし」とは、焼入れ後に鋼を再加熱して、硬さを調整しながら、粘りや強靭性を高める作業です。
JISの加工記号では「HT」と記載。
焼なまし
工具や機械部品を製作するには、切削が容易な鋼が理想的です。
そのためには、鋼を軟らかくする処理が欠かせません。
それが「焼なまし(焼鈍:しょうどん)」と呼ばれる熱処理です。
実は焼なましには、鋼の組織を均一にする役割もあります。
処理が不完全だと、鋼材の組織や硬さが不均一となり、機械加工に適さなかったり、加工ムラが生じる一因となったりします。
また、加工の際に曲がりや反りが発生したり、焼入れした場合の硬さにもバラつきが生じたりすることもあります。
そのため、焼なましは鋼を軟らかくするだけでなく、鋼の組織を均一にするためにも重要な処理です。
JISの加工記号では「HA」と記載。
焼ならし
焼ならしとは、鋼材を一定の温度まで加熱し、ゆっくりと冷却することで、鋼の組織を均一化、微細化する処理です。
これにより、鋼の強度や耐久性が向上し、加工性も改善されます。
鉄鋼製部品の材料となる鋼材は、鋳造・鍛造・圧延という方法で作られます。
いずれの製造法でも、加工によって生じたひずみにより鋼の組織が不均一となっているため、強度をはじめとする機械的性質が十分ではありません。
そこで、鋼の組織を均一化、微細化する手法が「焼ならし(焼準:しょうじゅん)」です。
JISの加工記号では「HNR」と記載。
この4つ以外にも色んな熱処理があるよ!
簡単に紹介します!
その他の熱処理の種類と目的
金属の性質を変化させたり強化したりするためには、他にも様々な熱処理の技術が利用されます。
真空処理
炉内を真空状態にして行う熱処理。
金属の光沢をもたせたままの仕上がりが得られるのが特徴。
雰囲気熱処理
炉内を大気、又はガス雰囲気にして行う熱処理。
応力除去なまし
加工ひずみや残留応力の除去をする。
浸炭
金属の表面層の炭素量を増加させることで靭性を保ちつつ耐摩耗性を上げる処理。
窒化
金属の表面層に窒素を拡散させることで耐摩耗性、耐疲労性、耐食性を上げる処理。
変形が少ないのが特徴。
ガス窒化
アンモニアガス中で加熱することで窒化する処理。
Cr、Mo、Alなどを含む合金に対応。
ガス軟窒化
窒素とともに炭素を同時に拡散させながら窒化する処理。
多くの鋼種に対応可能。
溶体化(固溶化)
高温に加熱後、急冷し、合金元素を過飽和状態にする熱処理。
自然時効
溶体化後、常温にて過飽和の元素を析出し、硬化する現象。
人工時効(析出硬化)
溶体化後に加熱し、過飽和の元素を析出させて効果させる熱処理。
過時効
硬さがピークを過ぎる状態まで行った人工時効処理。
目的となる製品の特性に応じて行われる。
このように、それぞれの方法がどのような目的で用いられるのか、どんな効果があるのかを理解することで、適切な技術の選定や、より効率的な製造が可能となります!
まとめ:熱処理は金属の性質を自在に操る化学技術!
熱処理とは、金属の組織を変化させるための加熱処理です。
熱処理を行うことで、金属の硬度、強度、耐久性、耐食性、加工性などを向上させることが可能。
熱処理には、焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならしなど、さまざまな種類があります。
それぞれの処理は、目的や効果が異なります。
この記事では、熱処理初心者の方でもわかるように重要な部分を簡単に解説しました。
しかし、熱処理の世界はとても深く、とても面白い世界でもあります。
関連書籍などもたくさんあるので興味がある人は是非チェックしてみてください♪
最後に…
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